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国家資格・法令

ドローン飛行日誌の書き方|飛行記録・日常点検記録・点検整備記録の記載事項と記入例【国交省要領準拠】

「飛行日誌が必要なのは分かったけれど、何をどう書けばいいのか分からない」。そんな方のために、国土交通省の取扱要領を読み込み、3つの記録の書き方を順番に整理しました。

執筆:吉田靖彦(代表取締役/一等・二等無人航空機修了審査員) |監修:関口拓矢(講師責任者) |公開日:2026-09-26

当校で国家資格を取得した方から、卒業後に最も多くいただく質問の一つが「飛行日誌の書き方」です。講習の修了審査でも日常点検記録や飛行記録の記載が採点されますが、実際の運航では、それを毎回・機体ごとに・何年も続けることになります。この記事では、国土交通省「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」(令和4年12月1日制定)の内容をもとに、3つの記録それぞれの書き方を具体的に解説します。

1. 飛行日誌とは?誰に義務があるのか

飛行日誌は、航空法第132条の89と航空法施行規則第236条の84にもとづいて、特定飛行を行う操縦者に備え付けと記載が義務付けられた記録です。特定飛行とは、空港等の周辺・高度150m以上・人口集中地区(DID)上空での飛行や、夜間・目視外・人や物件から30m未満・催し場所の上空・危険物の輸送・物件の投下といった、許可・承認などが必要になる飛行のことです。

ポイントは、義務の有無は国家資格を持っているかどうかでは決まらないことです。許可・承認を受けて特定飛行を行う場合も、資格を使って特定飛行を行う場合も、飛行日誌が必要です。

飛行日誌は、次の3つの記録で構成されます。

記録書く人書くタイミング
飛行記録(様式1)操縦者飛行させた都度(1飛行ごと)
日常点検記録(様式2)点検の実施者飛行させる都度(飛行前点検など)
点検整備記録(様式3)点検整備を行った人(使用者や、整備を受託したメーカー等)定期点検・修理・改造・整備を行った都度

なお、国土交通省は、特定飛行を行わない場合でも同じ要領に沿って飛行日誌をつけることを推奨しています。不具合が起きたときの原因究明や、機体の状態を時系列で確認するのに役立つためです。

2. すべての記録に共通するルール

3. 飛行記録(様式1)の書き方

飛行記録は、1飛行ごとに書きます。まず「1飛行」の数え方を押さえましょう。

「1飛行」とは?

電源を入れて出発地から離陸し、目的地に着陸して電源を切るまでが1飛行です。荷物の積み下ろしやバッテリー交換のために電源を切った場合はそこで1飛行。電源を入れたまま別の地点へ出発したり、続けて離着陸したりする場合は、最終目的地で電源を切るまでを1飛行とし、途中の着陸地点は「経由地」として記録します。通報した飛行計画の中で複数回飛んだ場合は、1飛行ごとに記録が必要です。

記入する主な項目と書き方は次のとおりです。

項目書き方(取扱要領より)記入例
登録記号国土交通大臣から通知された登録記号JU+英数字(機体ごとの番号)
飛行年月日西暦で記入2026/09/26
操縦者の氏名技能証明を持っている場合は、技能証明書番号も記入氏名+技能証明書番号
飛行概要飛行目的と経由地などの経路。特定飛行の場合は飛行の形態もあわせて記入測量/人口集中地区(DID)上空、目視外
離陸場所・着陸場所緯度経度(世界測地系)、または都道府県+市区郡+町村などの地名や「○○運動場」などの固有名称埼玉県比企郡鳩山町○○ 飛行場
離陸時刻・着陸時刻日本標準時の24時間制、1分単位。日をまたぐ場合は分かるように10:05/10:23
飛行時間離陸から着陸までを1分単位18分
総飛行時間製造後の積算飛行時間を1分単位52時間41分
飛行の安全に影響のあった事項影響があった・おそれがあった場合、その内容と前後の機体の状況なし/突風で一時的に機体が流された 等
記事(不具合)不具合の発生日・内容、処置日・処置内容、確認者の記名2026/09/26 GPS受信不良 → 2026/09/27 アンテナ接続を修正(確認者:○○)

※記入例は書き方のイメージです。実際の登録記号・場所・時間を記入してください。

飛行目的は、要領で「空撮、報道取材、警備、農林水産業、測量、環境調査、設備メンテナンス、インフラ点検・保守、資材管理、輸送・宅配、自然観測、事故・災害、趣味、研究開発、その他」を例に記入するよう示されています。特定飛行の形態も「空港等周辺、地表又は水面から150m以上、人口集中地区(DID)上空、夜間、目視外、人又は物件から30m未満、催し場所上空、危険物輸送、物件投下」を例に書きます。

なお、飛行記録は通報した飛行計画と厳密に一致させる必要はありません。あくまで実際の飛行の実績を記録します。

毎回の記録、スマホで済ませませんか?

当校が開発した飛行日誌アプリ「FlightMaster(運航マスター)」は、様式1〜3の記録をスマホ・PCから一元管理できます。

アプリを見る →

4. 日常点検記録(様式2)の書き方

日常点検記録は、飛行させる都度、飛行前点検などの結果を記録するものです。様式2には、次の9つの点検項目が示されています。

点検項目確認する内容
機体全般機器の取付け状態(ネジ、コネクタ、ケーブル等)
プロペラ外観、損傷、ゆがみ
フレーム外観、損傷、ゆがみ
通信系統機体と操縦装置の通信品質の健全性
推進系統モーターまたは発動機の健全性
電源系統機体および操縦装置の電源の健全性
自動制御系統飛行制御装置の健全性
操縦装置外観、スティックの健全性、スイッチの健全性
バッテリー・燃料バッテリーの充電状況、残量表示機能の健全性

書き方のポイントは次のとおりです。

国家資格の実地試験(登録講習機関の修了審査も同じ基準)では、この日常点検と記録そのものが採点されます。国土交通省の実地試験実施細則では、日常点検記録の記載漏れ・誤りは1件につき5点、飛行記録の記載漏れ・誤りは1件につき10点の減点です。当校の受講生には、制限時間の中で点検と記録を練習できるアプリ「CheckMaster(点検マスター)」を無料で提供しています。点検そのものの手順は、コラム「ドローンの日常点検のやり方」で解説しています。

5. 点検整備記録(様式3)の書き方

点検整備記録は、定期点検・修理・改造・整備を行った都度、作業を行った人が記入します。使用者は、メーカー等が指示する点検整備だけでなく、故障などの不具合の原因調査や是正処置の整備作業も記録しなければなりません。

携行のルールにも違いがあります。紙で管理する場合、飛行記録と日常点検記録は「直近の点検整備以降の分」を携行すればよいのに対し、点検整備記録は紙・電子にかかわらず全ての記録を携行します。

6. アプリ・電子データで管理するときの注意点

要領上、様式1〜3の内容を網羅していれば、アプリやExcelなどの電子データで記録・保管できます。紙の冊子を持ち歩かずに済み、記入漏れの防止や集計の面でもメリットがあります。一方で、次の点には注意が必要です。

当校の飛行日誌アプリ「FlightMaster(運航マスター)」は、様式1〜3の記録をクラウドで一元管理し、DIPS2.0の公式APIとの連携も2026年10月中旬に提供開始予定です。当校の国家資格講習の卒業生は、卒業から1年間無料でお使いいただけます。

7. よくある質問

Q. 飛行日誌は、国家資格を持っていない人も必要ですか?
A. 必要です。飛行日誌の作成・携行の義務は、国家資格(技能証明)の有無ではなく、特定飛行を行うかどうかで決まります。許可・承認を受けて特定飛行を行う場合も、飛行日誌が必要です。

Q. 飛行日誌はアプリやExcelで作ってもよいですか?
A. 様式1〜3の記載内容を網羅していれば、電磁的な記録・保管が認められています。紙でも電子でも、飛行時は常に携行し、求められたら提示できる状態にしておく必要があります。

Q. 飛行日誌はいつまで保管すればよいですか?
A. 無人航空機が登録されている間は、記載と保管を続けなければなりません。機体を譲り渡す場合は、総飛行時間や点検・整備の記録を相手に引き継ぎます。

Q. バッテリー交換のために一度着陸した場合、飛行記録は2回分になりますか?
A. 目的地に着陸後、バッテリー交換などのために電源を切った場合は、そこまでを1飛行として記録します。電源を入れたまま別の地点へ出発したり、続けて離着陸したりする場合は、最終目的地で電源を切るまでを1飛行とします。

Q. 飛行日誌をつけていないと、どうなりますか?
A. 特定飛行で飛行日誌を備えない・記載しないといった違反は、10万円以下の罰金の対象です。技能証明をお持ちの方は、行政処分の違反点数も科されます。

監修者コメント(関口拓矢・講師責任者)

「飛行日誌は、書き方そのものより『毎回・漏れなく続けること』のほうが難しい記録です。講習では修了審査で求められる書き方を身につけていただき、卒業後はアプリも活用して、無理なく続けられる仕組みを作ることをおすすめしています。」

参考にした情報源

※制度・様式は変更される場合があります。必ず国土交通省の最新情報をご確認ください。

まとめ:3つの記録を「機体ごと・毎回・漏れなく」

飛行日誌は、飛行記録(1飛行ごと)、日常点検記録(飛行の都度)、点検整備記録(整備の都度)の3つを、機体ごとに、機体が登録されている間ずっと続ける記録です。紙でもアプリでもかまいませんが、様式の項目を網羅し、常に携行できることが条件です。書き方に不安がある方、これから国家資格の取得を考えている方は、ぜひ当校の無料相談をご利用ください。

飛行日誌の書き方は、国家資格の講習の中でも指導しています